風は吹いたか 土地は消えたか 彼女は見ていた 自分の人生のそこかしこで吹き抜けていたあの風の色を 弱さは彼女を痛ませ 痛みは彼女を強ばらせた 吹き抜ける風 所在のない台地 彼女は補足する あの色とりどりの鳥のその飛行の軌跡を その都度ごとに手法を変えながら 定着し続ける 風が吹く限り